老いの冠

『若い男の光栄は彼らの力。年寄りの飾りはそのしらが。』(箴言20章29節)

あなたの肌年齢は何歳ですか?あなたの脳年齢は何歳ですか?最近テレビではアンチエイジングが叫ばれ、メディアからは、年を重ねることが衰退をイメージさせるメッセージが送られます。アンチエイジング化粧品のコマーシャルなど多くなっています。年を取る事がまるで恐ろしい事のようです。この世界の価値観は、自分を若く美しく保つことが価値のあることとしているのではないでしょうか。確かに若く美しく保つことが出来ればいいのですが、私たち人は自然にそのような存在として造られておりません。時間の中で老いを感じ、体力・知力の衰えを覚えながら、それとうまく付き合っていかなければならない存在です。それは自分の価値を落とす事なのでしょうか?年を取ることは、自分の価値が擦り減っていく悲しい現実なのでしょうか?

この聖書の箇所は、若い男と年寄りが並べて書かれ、それぞれの光栄が比較されています。どちらの光栄が優れていると言っているのではなく、それぞれに光栄が異なっていると聖書は語ります。若者にとっての光栄は、力。体力、知力…、とにかくエネルギーがあるのが若者の象徴でしょう。それに対して聖書は「年寄りの飾りはそのしらが」と言います。別の聖書箇所では「しらがは光栄の冠」。つまり聖書では、若さも良いことながら、年を取ることも美しい事であり、名誉な事としているのです。

けやき通りキリスト教会は、2014年度から、シオン会なるものを発足いたしました。これはシニア世代を対象にした会です。お年寄りの方々にとって教会がより身近であるようにとの願いから始めました。教会は、外見にこだわらず、年相応に生きてゆく喜びを共に見出すところです。それは、教会のかしらである神がそのような価値観であられ、人はその神の評価によって生きる者だからです。罪を赦して下さり、あるがままの私を受け入れて下さる神の恵みの評価によって立つことが、どれほど喜びにあふれたものであるか、是非、知っていただきたいと思います。この機会に、教会に足を運んでみませんか?